村上ショージ「笑う箇所を探す会」

千原ジュニアの単独、東京03の単独、カンニング竹山の単独と注目の単独が目白押しのなか、神保町では村上ショージの単独『笑う箇所を探す会』が開かれました。


ただ見て笑うライブはもう古い。「金払ってんだから笑わせろ」なんてナンセンス。「ここが面白いのではないか」「一見するとスベっているようにも見えるが、いやいや果たしてそうだろうか」と見る側が積極的な姿勢で参加していくのがこのライブ。今年で62歳になる師匠。ルミネロビーでの地道な手売りの甲斐もありチケットは完売。
どんな小さな笑い(可能性)も見逃してはならないため今夜はメモ取りOK。求められる客側の探究心。ほかのライブと違い一見何でもないようなところでも一人か二人がハハハと笑っていたりして、「ああ、あの人は発見できてるんだな」と羨ましく思う一方、「何周もして頭おかしくなってるんじゃないか」と心配にも。

 

ライブの趣旨もさることながら中身も実験的で。コントが作られていく過程を客前ですべて見せる企画が今夜の目玉。師匠のお気に入りゆにばーすのはらちゃんをゲストに迎え、作家の方が考えてきた台本をその場で読み合わせ。師匠がギャグをどんどん足したり、バッサリとカットしたり、もしくは話し合いで膨らませたり‥。律儀にモニターでカウントダウンまでするガチンコ企画。

師匠の弟子、つるつる頭の芸人ベン山形がどこまで本気かわからない勘の鈍さとトリックスターぶりで、パーティーを路頭に迷わせることしばしば。台本読み合わせも最後まで間に合わず立ち稽古もそこそこに、無情にもカウントは0になり本番へ。師匠はオチを探し観客は笑いを探し、暗中ながら白熱の実験企画となった。